2009.03.22

3月は月の始めから何校かの卒業式の活け込みのお仕事をやらせていただくあたりから、ワタクシなんだか春をとても実感いたします。何故なら、活け込み用に仕入れた桜の開花の調整で、毎度毎度大騒ぎになるからです。いつも2mを越す桜が入った桶を外に出してお日様にあててみたり、蕾がふくらみ過ぎたら慌ててキーパーに入れてみたり、桶をもってあっちウロウロこっちウロウロ・・・きっと何処のお花屋さんでも今の時期同じようなことしてるんでしょうけどね。
桜といえば・・・ワタクシの実家は小田原城の近くにあり、お城のまわりをぐるりと囲むようなお堀端の桜並木と「御感の藤」が有名ですが、ワタクシのはるか昔の記憶だと、小学校の前の吉野桜の長い枝がワタクシの顔に触れるほどの立派な桜並木が広がっていたように思います。風が一吹きすると桜の花びらヒラヒラと舞い散り、まさに目の前がサクラ色に染まる、泣ける程美しい光景が毎年楽しみでした。あれからもう30年経っていますが、あんなにも立派だった桜並木がすっかり寂しい花付きになってしまい、「御感の藤」でさえ、なんだかただの山藤になってしまってあんなにも素敵だった小田原城の春は一体何処へ・・・といった感じです。最近知ったのですが、吉野桜はエドヒガンとオオシマザクラとの交配種なので、70年程度の短い寿命で、最盛期は30~40年程度なんだそうですね。ですから、きっとワタクシの記憶の中の長く垂れ下がるほどの素晴らしい吉野桜は、同じ木ではもう見られないということになるのでしょうか・・・。いわゆる「盛者必衰の理をあらはす」的な展開で大分寂しい話です。
地球温暖化のせいなのか、ワタクシの記憶違いなのか・・・そもそも、桜って入学式の頃に咲いてませんでしたか?昨今ではどうかすると卒業式に咲いてしまう桜は、散り際の潔さと卒業式のお別れとダブって、なんだかさらに寂しくなっちゃうなぁ・・・と感じているワタクシなのでした。
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2009.03.22

「大変だ!今度はオーストラリアからメールがきたぞ!」ワタクシの休み明け早々、我が花美の社長が「おはよう」の挨拶前にワタクシにご報告してくれました。PCをたちあげ、受信ボックスを見れば「う~ん、確かに・・・」きてました、まちがいなくオーストラリアから・・・。我が花美の「つぶやきブログ」をご覧になられた方からのメールで、直接にお花のご注文を頂戴いたしました。ホンとに、恐るべしブログ!うちの「オトボケちゃん社長」もワールドワイドなったものだ、とちょっぴり 複雑な心持ですが、いずれにしても嬉しいことです。
この「オーストラリアからの手紙」の差出人の方を仮にTさんとさせていただきます。この度Tさんの姪の方がお亡くなりになってしまったのですが、この姪の方には受験生の娘さんがいらしたそうです。この受験生、お母様が亡くなってしまった悲しみを乗り越えて、見事合格。がんばった彼女の為に心を和ませる優しい花束をご所望のご様子でした。・・・ということで、ワタクシ今回は淡いピンクと白の優しい色味でチューリップとスイトピーを中心にお作りさせていただきましたよ。如何なもんでございましょ?
何度かのTさんとのメールのやり取りの中で、実に興味深く、羨ましいTさんの生活を教えていただきました。Tさんご夫妻はリタイヤなさった後、夏は北海道・冬はオーストラリアという素晴らしい「大橋巨泉的生活」をなさっているとの事。ホンとに居るんだなぁ、そんな夢のような人達が・・・羨ましい・・・Tさん曰く「私達の今の生活は若い頃からの計画と運の良さのお陰です。」とのご謙遜でしたが、この夢のような生活に憧れている我が花美の社長は、夢の老後生活の為「宝くじ当選」をめざして日々宝くじ購入に余念が無く、Tさんとはまるで違うであろう「計画性」と「幸運」の全てを宝くじに託している「オトボケちゃん社長」には何故かそれも相応しい気もしています。
御注文いただきました花束の写真をメールにてTさんに返送すると、すぐにまたお礼のメールがTさんから届きました。レスポンスの速さに驚くワタクシ・・・。遠くの方だけど、なんだか近い人・・・。Tさんご夫妻は4月からはご帰国なさって北海道での生活が始まるそうです。お花のご注文のメールも嬉しいですが、それより楽しい近況報告メールの方が興味深く思うワタクシでした・・・。
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2009.03.07

春の気配がし始めると、何処のお花屋さんも卒園式やら卒業式などの装飾花でボチボチ忙しくなってくるのですが、それと同時に会社関係の人事異動や退職などの花束のご注文も多くなる季節です。ご多分に漏れず、我が花美もその一つ。ありがたいかな、なかなか忙しいのデス。月末ともなると、近隣の会社関係からの御注文で忙しくなって参ります。今年の春は、100年に一度の大不況・・・と毎日TVではシツコイくらいに言っていますが、我が花美の近隣の会社は自動車関連が多く、今年の春はどうなってしまうのだろうか・・・とやや心配になっています。正直、この不況がワタクシあまり実感ございません。本当に不況なの?と友達に聞いてみても「TVが言ってんだから、そうなんじゃ~ん?」との頼りないお言葉・・・TVがそんなことばっかり言ってるから皆その気になって不景気なんじゃね?と思っているのはワタクシだけではないはずです。みんな働いて、お金使おうよ~でなきゃ、お金は動かないよ~っていうのが最近のワタクシの信条です。
前置きが異常に長かったのですが、今日のお客様の御注文は少々値の張った花束の御注文でした。可愛らしく、優しい色味でとの御注文でしたので、ワタクシの得意のフワフワブーケの巨大版をお作りしてみました。可愛く、優しい色味とは真逆の地域で生息している我が愛すべき花美の社長に、比較のため花束の横にスタンバイしていただきました。ナイスポジション!ナイスキャラ!社長、今日もいい仕事してますね~。明日もみんなに心のオアシスをお届けしてくださいね。
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2009.03.07

「あのね、昨日ホームレスが花を買いにきたの!」 ワタクシの休み明けの出勤早々、社長婦人ミッちゃんがいつものように大声張り上げてワタクシにご報告してくれました。「ホームレスってなんで買いに来たの?」と聞けば、「それがさ~」とミッちゃんが興奮気味に唾をとばして、なぜか洗いかけのマグカップ片手に説明をしてくれました。
ミッちゃんの話によると、どうもホームレス男性のお友達、亡くなった彼もまたホームレスのようですが、お亡くなりになって厚木警察署に安置されているとの事。彼はその亡くなったお友達に会いに行くため、なけなしのお金を握り締めてうちの店にやってきたとのことでした。「俺は千円しか持ってないのだけれど、このお金で友達に手向ける花を下さい」という彼に、ミッちゃんは「ホンとは、お金なんか要らないからお友達にお花手向けてあげてください、って言おうかとも思ったんだけど、それじゃあ彼の誠意が伝わらないじゃなーい。だから半分頂いてお花一杯の花束作ってあげたら、そのホームレスのおじちゃん何度も何度も振り返って、何度も何度もありがとうってお礼言うのよ~。」とワタクシに報告しながら泣いてました。片手に洗いかけのマグカップ持って・・・。まぁ、ワタクシもミッちゃんの熱いご報告の途中でたまらず泣いてましたけど・・・。この時点で来店したお客様は思わずドン引きの不思議な光景ですね。
大多数の日本人・一般的な人間というのは、見知らぬ人間の「遺体」を前にした時、恐らく心に浮かぶ感情は「怖い」や「気味が悪い」などのおおよそ口に出してはいえない言葉なのではないかと思います。それは平安時代に編纂された「延喜式」にも書かれている死穢(しえ)という日本独特の「穢れ」に対する恐れが日本の風土にべったりと染み付いているからだ・・・と今話題の青木新門さんも著書の中に記してありました。 確かにワタクシも十年前のお気楽なリーマンの時代は、その大多数の一人であったことは確かです。ですが転職をして花屋となった今、「死者」がはるかに近い存在になり、死穢という不浄なものとされる「ケガレ」への感情もいつしか薄くなってきたというのもホンとに不思議なものです。
いいかどうかは分かりませんが、ワタクシは葬儀の装飾をさせていただくとき、出来る限りご遺体にお会いするようにしています。亡くなって初めてお会いする方に「こんにちは」と「あなたの人生最後のセレモニー、私達がお花で飾らせていただきます」のご挨拶は出来る限りさせていただいています。ワタクシなりの礼儀のつもりです。そしていつも思うのは、身分の違いも無く、職業の貴賎も無く、老若の違いも無く、出逢ったすべての「死に顔」は、生まれたばかりの赤ちゃんみたいに神々しい・・・「穢れ」とは全く真逆なものなのです。むしろワタクシ汚れてる!ごめんなさい!という気分になってしまいます。
亡くなったホームレスの方がなぜ亡くなってしまったのかは分かりませんが、せめて彼が安らかな気持ちで死を受け入れることができましたように・・・と願うと共に、なけなしのお金で友達の為にお花を買おうとした心優しいホームレスのおじさんに幸せがやってきますように・・・と願ってしまうワタクシなのでした。
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